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深刻な海賊版の被害

このところの出版物についての侵害行為は、音楽や映像のジャンルと同様、ますます巧妙かつ悪質になっています。
高性能ながら低価格のスキャナー、高速なデータのやり取りが可能になったネット環境、画像編集ソフトやアップロードのためのソフト、ファイル共有ソフト等の発達で、出版物の版面をデジタル化し、送信し、共有し、悪意のあるなしにかかわらず、海賊版やそれと類似した行為に行き着くケースが増えました。ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)は、掲示板、ストレージサービス、オークション、ネット広告モデル等で、利便性を向上させていますが、その陰で、悪意ある者の不法行為も蔓延しています。

高速スキャナー等で違法ファイルの数が膨大な数に。さらにネットワークに乗って、幾何級数的拡散される。

「電子書籍元年」といわれ、総務省、文部科学省、経済産業省という異例の組み合わせで「三省デジタル懇談会」が開催された2010年は、同時に村上春樹や東野圭吾らのベストセラー小説のデジタル海賊版が、相次いでオンラインショップにアップロードされた年でした。運営管理者は、海賊版作成者と著者の間の問題として「我関せず」の姿勢をとり、当初、出版社の抗議にも「出版社は権利者ではない」として受け付けませんでした。こうした無責任な姿勢は、その後もあとを絶たず、そのインフラに乗って、出版物の違法ファイルの販売(海賊版)ではなく、違法ファイルへのアクセス環境の整備で会費や広告収入を得る迂回モデルも横行しているのが現状です。

ネットで発売された「1Q84」の海賊版

コミック雑誌は、日本での発売日前に海外の違法サイトにアップロードされ、その後各国語に翻訳され、スライドショーや動画仕立てになるなど、さまざまな経路、形態で世界中に流布されてしまっています。コミック最大手の出版社は、月間1万2千件もの違法ファイルの削除要請(権利者ではないためあくまで「要請」である)を行わざるを得ません。日本の電子出版の草分けになった「電子辞書」の分野でも、スマートフォン用に海賊版アプリが堂々と販売されているのが現状です。

また、平成25年5月には、神奈川県のスキャン代行業者が蓄積したコミックのデータを発売し逮捕された事件も記憶にあたらしいところです。著作権法違反(譲渡権侵害)容疑に問われた25歳のこの男性は、漫画「銀魂(1~45巻)」などを作者の許可なく複製して電子データをDVDに記録し、代金1万円で販売していました。他にもコミック85作品を販売していたと見られ、今後も同様の被害の広がりが懸念されます。

データとお金の流れ スキャンレーション スキャンレーション オンライン・リーディング オンライン・リーディング 海外のスキャンレーションサイト リーチサイト

オンライン・リーディング

サイトにアクセスすれば、そのまま漫画が閲覧できます。
日本国内でも、稀に発生しますが(「ジャンプ フラゲ基地局blog.livedoor.jp/hunj 2013年4月)、国内ISPや国内サーバは迅速に削除するようになってきたため、現在はほとんど海外(サーバ)運営のもの。中国に多く見られましたが、最近は、タイ、ブラジル等にも現れています。
ちなみに、「ジャンプ フラゲ基地局」についてのLive Door!へのサイト凍結要請に対する回答は「…(違法ファイル)につきましては、送信防止措置が講じられておりますので、ご確認くださいますようお願いいたします。また、ブログ開設者宛てには、今後、適切な管理を行うよう注意喚起を促しました」(ブロガー保護の名の下にブログそのものは閉鎖しない。)

リーチサイト

違法ファイルは外部サーバのデータ・ストレージサービス(オンラインストレージまたはサイバーロッカーと言われる)に蔵置。サイト上に作品タイトル(テキスト)を並べ、外部サーバの当該作品ファイルとリンクさせています。閲覧したければ、リンクを辿って、外部のサーバから違法ファイルを一旦ダウンロードする必要があります。ここでいうサイバーロッカーは、URLさえわかれば、不特定多数がアクセス可能なサービスのことです。

スキャンレーション

漫画のスキャン画像(日本語)は「Raw Manga」と言われています。これを、勝手に各国語に翻訳して、あたかも漫画の翻訳版のように加工したものがスキャンレーションです。やはりオンラインリーディングとリーチサイトがあります。元データ(Raw Manga)は、「日本でスキャンしたデータを直接海外の海賊版業者に送る」「日本の海賊(主にリーチサイト運営者)がサイバーロッカーにアップしたデータをダウンロードし、加工して再アップ」の2つの経路があると推測されます。もちろん、最初のスキャンは日本国内でなされています。

海外のスキャンレーションサイト

・リーチサイト 「Manga Zone」「COMIC DOWN FUN.COM」「MANGA ZIP」「MANGA CITY」
・オンラインリーディング 「SEN MANGA」「看漫画」「DD TODO」「MANGA ID」
【北米におけるコミック被害推定額(株式会社講談社提供による「北米におけるMANGAの侵害状況」〈2012年度〉)】
過去5年間(2007~2011)の違法コンテンツ(雑誌・単行本)が英語版単行本で販売されたと仮定した場合の推定損失額は、1,500~3,000億円に上ります。