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出版に関する権利についてのQ&A

経団連案、中山提言について

Q1 経団連からの提案はどういう内容なのでしょうか?
A1 現行著作権法に規定がある紙の本の出版権とは別に、電子書籍を発行する者に対して「電子出版権」を付与しようというものです。詳しい内容については、日本経済団体連合会のサイトからご覧ください。
通常、紙の本の出版社がその本を電子書籍化することが多く、違法な電子ファイルも紙の本をスキャンして作成されるケースがほとんどです。紙の本とその電子版が一体として取り扱われる実情を踏まえ、経団連案が現状にマッチするのか、検証が必要です。
Q2 中山提言はどういう内容なのでしょうか?
A2 東京大学名誉教授の中山信弘氏ら6人の法律の専門家が、いわゆる「中川勉強会」の隣接権案や経団連案を念頭に、「大方の賛同を得られる結論をまとめた」(中山氏)ものです。出版物を発行することで発生する著作隣接権ではなく、著作者と出版者の契約行為に基づき発生する現行の出版権を、電子出版や従来出版行為とは見なされなかった複写利用などにも拡張する趣旨で、具体的な内容の検討は文化庁の文化審議会に委ねるとしています。内容については明治大学知的財産法政策研究所の出版者の権利のあり方に関する提言および補足説明にてご覧ください。
Q3 これまで隣接権付与を求めてきた出版界は、今、どういう方針なのでしょうか?
A3 出版者の著作隣接権については、利用者や著作者から異論があり、またその権利の運用には解決しなければならない問題が残っています。しかし、ネット上の侵害行為への対策は出来るだけ急ぐ必要があります。出版界としては、著作者や利用者の理解のもと、実効性のある著作権法改正を早期に求める姿勢です。詳しくは「日本書籍出版協会の見解」をご覧ください。